水上太陽光発電とは?ため池を活用するメリット
皆さま、こんにちは。
皆さまがお持ちのため池について活用方法をお考えになった事はありますか?
ため池は、本来の活用方法である農業用水の確保だけではなく、平時より様々な用途で活用することができま
す。
そして、その活用方法のひとつに挙げられるのが水上太陽光発電です。
水上太陽光発電であれば、農業用水としてのため池の機能を失うことなく、有効にため池を活用することができ
ます。
今回の記事では、ため池の活用方法のひとつである水上太陽光発電について、また水上太陽光発電を設置す
ることによるメリットをご説明します。
是非最後までご覧ください。
水上太陽光発電とは?
水上太陽光発電とは、その名の通り太陽光発電の設置方法のひとつです。
太陽光発電で多くの方が想像されるのは、平地の上に設置されている野立て太陽光発電または屋根上に設置
されている屋根上太陽光発電ではないでしょうか?
実は太陽光発電には様々な設置方法があり、中でも有名なのが以下の5種類です。
・野立て太陽光発電
・屋根上太陽光発電
・水上太陽光発電
・営農型太陽光発電
・ソーラーカーポート
それぞれ、営農型太陽光発電は農地に設置される太陽光発電、ソーラーカーポートはカーポートの屋根上に設
置される太陽光発電を指します。
このうち、ため池やダム、湖などの水面に設置する太陽光発電設備のことを水上太陽光発電と言います。
水上太陽光発電の仕組み
水上太陽光発電は、太陽光パネルをため池やダムなどの水上に設置します。
もちろん直接太陽光パネルを水面に敷き詰めるとなると、浮力や感電の問題が生じてしまいます。
そのため、水上太陽光発電では「フロート架台」と呼ばれる浮きのようなものを浮かべ、その上に太陽光パネル
を設置します。
また、浮きとしての役割を果たすフロート架台は、流されないよう「アンカー」と呼ばれる錨のようなものを使用し
固定します。
これを「係留」と呼び、係留には池の底にアンカーを打ち込む埋め込み式の係留方法と、ため池の底に重りを設
置しフロートを固定する重力式の係留方法があります。
それぞれのため池の形や特性に合わせて、最適な係留方法でフロート架台を固定し発電を行います。
今水上太陽光発電が注目されている理由
水上太陽光発電は今注目を集めている太陽光発電の手法のひとつです。
では、なぜ水上太陽光発電に注目が集まっているのでしょうか?
その理由として、発電ポテンシャルの高さが挙げられます。
農林水産省農村振興局の発表によると、現在ため池は全国に約20万箇所あると言われています。
また、NEDOの「再生可能エネルギー技術白書」には、それらのため池を踏まえた水上面積は4,481㎢存在し、
そのうちの10%が太陽光発電設置可能面積だとした場合、約38GW以上の発電ポテンシャルを持つとの情報
が記載されています。
この発電ポテンシャルは耕作地に次ぐもので、山間地域が多く太陽光発電が設置できる面積が限られている日
本において、水上太陽光発電はカーボンニュートラル達成のために無視できない存在となっています。
水上太陽光発電を設置することのメリット
近年の脱炭素化の流れでより一層注目が集まる水上太陽光発電ですが、他の設置方法による太陽光発電に
はない特有のメリットが存在するのも注目を集める理由のひとつです。
ここでは、水上太陽光発電を設置することによるメリットについてご紹介致します。
野立て太陽光発電よりも発電量が約10%多い
水上太陽光発電は、野立て太陽光発電と比較して年間の発電量が約10%多いと言われています。
・風通しがよく水面に近いため、太陽光パネルが冷やされること
・ため池の周りには高い建物等の遮断物が少なく、影ができにくいこと
などがの理由から発電効率が良く、野立て太陽光発電より多い発電量が期待されます。
大規模な土地の造成が不要
大規模な土地の造成が不要なのも水上太陽光発電ならではの特徴です。
一般的に野立て太陽光発電を設置するには土地を造成する必要があり、自然を傷つけてしまうだけではなく、1
㎡あたり約5000円の造成費用が掛かってしまいます。
しかし、水上太陽光発電であれば大規模な土地の造成が必要ないため、造成コストに影響を受けることなく一
定のコストで発電所を建設することができます。
また、自然を大きく傷つけることが無いため、環境にもやさしい設置方式だと言えます。
藻や水草の異常発生を防ぐことができる
水上太陽光発電は異常発生する藻や水草の対策にも役立ちます。
ため池に水上太陽光発電所を設置することで、太陽光パネルとフロート架台が日の光を遮断し藻や水草の異常
発生を防止するため、それらを除去するための時間や費用の軽減が期待できます。
水の蒸発を防ぐことができる
水上太陽光発電は水の蒸発防止にも効果があります。
フロート架台を設置する部分は日の光が直接当たらないことに加えて、パネルに覆われることで影が作られま
す。それにより、ため池の温度を下げることができ、水の蒸発を防いでくれるのです。
よって、水上太陽光発電を設置することで、ため池の大切な水をフルに利用していただくことが可能になります。
上記のような水上太陽光発電特有のメリットだけでなく、売電収入や電気代削減等の経済メリットも他の太陽光
発電と同様に有していることから、水上太陽光発電は設置によるメリットが大きいと言えます。
水上太陽光発電を検討されている方へ
他の太陽光発電よりもメリットが大きい水上太陽光発電はため池の活用方法として非常におすすめです。水上
太陽光発電の設置を検討されている方やため池の維持管理にお困りの方は、是非本サイトの「お問合せ」の
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