ため池の構造はどうなっているの?
皆さま、こんにちは。
一般的に農村地域に多く分布しているとされるため池ですが、その造られた場所により構造が異なるのをご存じでしょうか?
実際、ため池は大きく「谷池」と「皿池」に分類することができます。
では、それらのため池にはどのような構造の違いがあり、どちらのため池が水上太陽光発電に向いているのでしょうか?
今回は、ため池の種類や構造、また水上太陽光発電に向いているため池についてご説明させていただきます。
1.ため池の構造
ため池の種類についてご説明する前に、そもそもため池とはどの様な構造で造られているのかご説明させていただきます。
ため池の構造は大きく「堤体」「洪水吐」「取水施設」「底樋」の4つに分けられます。
堤体
堤体は水をせき止めるための盛土であり、いわばため池の本体です。
水が外に漏れ出るのを防ぐために、粘土などの水の通しにくい土によって締め固めて造られます。また、波浪による浸食防止のためにブロックやシートを張ったり、浸透水による法面崩壊を防ぐために護岸を設けて補強する場合もあります。
洪水吐
洪水吐はため池が決壊しないように安全を確保するための設備です。大雨などで一定以上に水が溜まり水位が上昇すると、ため池が決壊し洪水が起こってしまう恐れがあります。
そのような時に備え、一定以上水位が上がらないようにあらかじめ溢れ出る場所が作られています。
取水施設
ため池はその本来の目的が農業用水の利用であることから、水を水田へ流すために、取水の設備として堤体を貫通する樋管が設けられています。かつては石や木をくり抜いた管が使われていましたが、現在ではコンクリート製の管が使われています。また、ゲートと呼ばれる水門を用いて、流す水の量を調節を行います。
底樋
こちらも取水設備の一種ですが、底樋は文字通りため池の底に設置されている為、ため池の水を空にするときなどに用いられます。
上記の構造は各ため池で共通するものですが、ため池の形は造られる土地によって異なっており、主に平野部に位置するため池の形を「皿池」、山間部に位置するため池を「谷池」と呼びます。
では、それぞれにはどの様な違いがあるのでしょうか?
2.山間部に位置する「谷池」
谷池は主に山間部で目にすることが多いため池です。
山間や丘陵地の谷を一部せき止めて谷池が造られました。
そのため、皿池よりも水深が深く、川をせき止める堤の高さが15メートルを超えるものに関しては「ダム」と呼ばれております。
また、谷池から水を流して皿池に分配して貯水するという方法が採用されている場合もあり、福島県などに多く分布しています。
3.平野部に位置する「皿池」
皿池は主に平野部で目にすることが多いため池です。
皿池の周りは平地に囲まれており、窪地となっているところの周囲に堤防を築いて、ため池として造られました。
また、皿池の中には窪地の底をさらに掘って作られたものもあります。
もとが平地であるため水深が浅いのが特徴で、人間の生活圏内、特に讃岐平野に多く分布しています。
4.水上太陽光発電に向いているため池はどっち?
それぞれの池の特徴は先述した通りですが、一体どちらのため池が、水上太陽光発電所の建設に向いている
のでしょうか?
ズバリ「皿池」の方が水上太陽光発電所の設置に向いています。
理由としては、水深が浅く池底が平坦だということが挙げられます。
ため池で水上太陽光発電を行う場合、池底にアンカーと呼ばれる錨を打ち込まなければいけません。池底が深い谷池だとその作業が困難となるのです。そのため、一般的には皿池の方が水上太陽光発電の建設に向いていると言われています。
5.その他の水上太陽光発電設置に向いている条件
池の形以外にも、水上太陽光発電の設置に向いているため池の条件はあります。
「向いている条件」としては主に以下の3つが挙げられます。
・池の周囲までの搬入経路が確保できる
・池の周囲に荷置き、作業スペースがある
・池の周囲に電柱がある
太陽光パネルやフロート架台、電線などの資材は10tトラックで水上太陽光発電所を設置するため池に隣接する空き地まで運び、組み立てなどの作業を行うため、搬入経路や荷置き、作業スペースが確保できることが好ましいといえます。
また、多くの場合、水上太陽光発電所で発電した電気は、電線を通して運ぶことになるため、ため池の近くに電柱があることを推奨しています。
しかし、これらはあくまでも「向いている条件」なので、条件を満たしていないとできないということではありません。
上記の条件を満たしていないため池でも水上太陽光発電を設置できる可能性はございますので、是非一度ご相談ください。
6.水上太陽光発電を検討されている方へ
他の太陽光発電よりもメリットが大きい水上太陽光発電はため池の活用方法として非常におすすめです。水上太陽光発電の設置を検討されている方やため池の管理にお困りの方は、是非本サイトの「お問合せ」のページ
よりご相談ください。
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